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学会の沿革
子宮内膜によく似た組織が骨盤内臓器に生着し色々な症状を起こす疾患を米国の産婦人科医Sampson(1921)はエンドメトリオーシスと命名しました。
エンドメトリオーシスは紀元前1600年ころのエジプトのパピルスにも記されているほど古くから分かっていた疾患ですが、主に女性骨盤内臓器に発生し開腹手術か剖検以外には目に触れず、発生率も低いため、婦人科医にも関心の薄い疾患でした。その後も、主に本症の発生を病理学的に追求した散発的な報告が見られるにすぎませんでしたが、経口避妊に用いられた合成ステロイドによる偽妊娠療法、ダナゾールによる偽閉経療法の開発と腹腔鏡診の普及がエンドメトリオーシスの診療・研究に一気に拍車をかけました。1975年頃からアメリカ不妊学会の有志が中心になって国際学会が2年に1度ずつ開かれるようになり、1986年からは3年に1度、世界子宮内膜症学会(WCE)が開催され、多くの研究報告が発表されるようになっています。
一方、わが国でも1940年以前はエンドメトリオーシスについての研究は殆んどなく、1976年に滝一郎編による「子宮内膜症のすべて」というモノグラフが出るまでは年に数編の報告があるにすぎませんでした。ちょうどこの時期にアメリカのGreenblatt(1971)によってダナゾールの優れた効果が報告され、わが国でも1977年より全国規模の治験研究会が行われました。本会は1980年に開催された「第1回ダナゾール研究会」に始まり、1982年に「エンドメトリオーシス研究会」となって発展を遂げ、今では国際的にも主要な役割を担うようになりました。本会は創設以来、年1回の学術集会を開催し、2019年1月に仙台市で行われた第30回集会を機に、「日本エンドメトリオーシス学会」に名称変更しました。この間にあって日本産科婦人科内視鏡学会とともにエンドメトリオーシスの診断に対する腹腔鏡診の重要性を啓蒙してきました。また、1996年10月に横浜で開催された第5回世界子宮内膜症学会(杉本修・水口弘司会長)の開催に貢献しました。
このように「日本エンドメトリオーシス学会」は本症の研究や診療の中心的な組織としての役割を果たしてきたと言えます。
歴代 代表理事・理事長
| 1980~1996 | 杉本 修(大阪医科大学名誉教授) |
|---|---|
| 1997~2001 | 水口 弘司(横浜市立大学名誉教授) |
| 2002~2008 | 武谷 雄二(東京大学名誉教授) |
| 2009~2019 | 寺川 直樹(鳥取大学名誉教授) |
| 2020~2023 | 原田 省(鳥取大学 理事・副学長) |
歴代会長
| 会長 | 主催校 | 開催地 | 開催年 | |
|---|---|---|---|---|
| 第45回 | 北出真理 | 順天堂大学 | 東京 | 2024 |
| 第44回 | 前田長正 | 高知大学 | 高知 | 2023 |
| 第43回 | 森田峰人 | 東邦大学医療センター大森病院 | 東京 | 2022 |
| 第42回 | 大道正英 | 大阪医科薬科大学 | Web開催 | 2021 |
| 第41回 | 杉野法広 | 山口大学 | 山口 | 2020 |
| 第40回 | 大須賀穣 | 東京大学 | 東京 | 2019 |
| 第39回 | 北脇城 | 京都府立医科大学 | 京都 | 2018 |
| 第38回 | 竹下俊行 | 日本医科大学 | 東京 | 2017 |
| 第37回 | 片渕秀隆 | 熊本大学 | 熊本 | 2016 |
| 第36回 | 井坂惠一 | 東京医科大学 | 東京 | 2015 |
| 第35回 | 堂地勉 | 鹿児島大学 | 鹿児島 | 2014 |
| 第34回 | 鈴木光明 | 自治医科大学 | 宇都宮 | 2013 |
| 第33回 | 増﨑英明 | 長崎大学 | 長崎 | 2012 |
| 第32回 | 吉村泰典 | 慶應義塾大学 | 東京 | 2011 |
| 第31回 | 小西郁生 | 京都大学 | 京都 | 2010 |
| 第30回 | 岡村州博 | 東北大学 | 仙台 | 2009 |
| 第29回 | 深谷孝夫 | 高知大学 | 高知 | 2008 |
| 第28回 | 梅咲直彦 | 和歌山県立医科大学 | 和歌山 | 2007 |
| 第27回 | 木下勝之 | 順天堂大学 | 東京 | 2006 |
| 第26回 | 石川睦夫 | 旭川医科大学 | 札幌 | 2005 |
| 第25回 | 星合昊 | 近畿大学 | 大阪 | 2004 |
| 第24回 | 玉舎輝彦 | 岐阜大学 | 岐阜 | 2003 |
| 第23回 | 高山雅臣 | 東京医科大学 | 東京 | 2002 |
| 第22回 | 植木實 | 大阪医科大学 | 大阪 | 2001 |
| 第21回 | 岡村均 | 熊本大学 | 熊本 | 2000 |
| 第20回 | 永田一郎 | 防衛医科大学 | 東京 | 1999 |
| 第19回 | 寺川直樹 | 鳥取大学 | 米子 | 1998 |
| 第18回 | 佐藤和雄 | 日本大学 | 東京 | 1997 |
| 第17回 | 廣井正彦 | 山形大学 | 横浜 | 1996 |
| 第16回 | 水口弘司 | 横浜市立大学 | 東京 | 1995 |
| 第15回 | 野田起一郎 | 近畿大学 | 大阪 | 1994 |
| 第14回 | 谷澤修 | 大阪大学 | 大阪 | 1993 |
| 第13回 | 水野正彦 | 東京大学 | 東京 | 1992 |
| 第12回 | 森崇英 | 京都大学 | 京都 | 1991 |
| 第11回 | 加藤順三 | 山梨医科大学 | 東京 | 1990 |
| 第10回 | 藤原篤 | 広島大学 | 広島 | 1989 |
| 第9回 | 高見澤裕吉 | 千葉大学 | 千葉 | 1988 |
| 第8回 | 岡田弘二 | 京都府立医科大学 | 京都 | 1987 |
| 第7回 | 小林拓郎 | 東京大学 | 東京 | 1986 |
| 第6回 | 杉本修 | 大阪医科大学 | 京都 | 1985 |
| 第5回 | 川島吉良 | 浜松医科大学 | 東京 | 1984 |
| 第4回 | 杉本修 | 大阪医科大学 | 京都 | 1983 |
| 第3回 | 杉本修 | 大阪医科大学 | 東京 | 1982 |
| 第2回 | 杉本修 | 大阪医科大学 | 京都 | 1981 |
| 第1回 | 杉本修 | 大阪医科大学 | 東京 | 1980 |
